2025.9.9
2025年9月、山形大学米沢キャンパスを会場として、化学系学協会東北大会が開催されました。本大会は、日本化学会東北支部を主催とし、東北・北海道地域の化学系学術団体が一堂に会する、年に一度の学術交流の場です。
このような場で、光栄にも特別講演の機会をいただき、約1時間にわたり講演しました。
講演では、有機ELのこと、山形大学工学部のこと、これまでの人材育成、そして現在進行中の「未来創造ラボ」での取り組みについて紹介しました。


締めくくりには、いつものスライドを使って「サイエンスキャンプ」の話

サイエンスキャンパスは、20年以上前、JSTの依頼で始めた高校生向けのプログラム
なかでも、2007年のキャンプに参加した東京の高校生・渡邉君のエピソードを紹介しました。
彼は、その後、山形大学に進学し、有機ELの研究に取り組み、現在は京都大学の助教として活躍しています。

さらに驚いたのは、私の講演の後に登壇された京都大学の丸岡啓二教授(日本化学会会長)が、「野依フォーラム若手育成塾」の話をされ、その第一回参加者リストに渡邉君の名前があったこと。旧帝大の学生たちに混ざって、唯一の地方大学出身者として選ばれていたのです。そのとき推薦状を書いたことを思い出しました。


チャンスがあれば掴む。いい仲間に恵まれたのだと思います。
チャンスは、すべての人に与えられています。
でも、それを「チャンス」と気づき、しっかりと掴む人は、実はとても少ない。
未来創造ラボの城戸塾は、山形大学に入学するすべての学生に開かれています。
でも、その扉をノックする学生は、意外と少ないのです。
未来を変えるのは、大きな決断ではなく、小さな一歩です。